OMJOOSOO

陶器のような平面作品をつくるスピッツ好きの現代美術作家オムチュスの日々のつぶやき。

大人になると不自由になる

大学の頃はずっと絵を描いていた。

卒業してから色々な技法で制作するようになって、次第に写真やアクリル板を使った作品に取り組むようになり、遊び半分でつくり始めた作品が初めて恩師に褒められたので「この方向性でやってみよう!」と思ったのがきっかけだった。思い返せば単純すぎる自分に驚く。

 

このシリーズは、気がつけばいつも私はパソコンで画像処理ばかりしていて、筆や絵の具は一切持たずに工具をばかりを持つようになっていた事に心底嫌気がさしていたし、インターネットが普及し生活がどんどん便利になっていく中で、ハイテクな技術に依存して作品を制作する事は私のやりたい事とは違うと感じていた。

 

その後、案の定行き詰まって、自暴自棄になったように新宿で個展を開き、燃え尽きて虚しさでいっぱいになってしまった年、面白いほどあっさりこのスタイルの作品を作るのはやめた。

 

理由はそれだけじゃなく、コストが異常にかかるというのもあったけど。

 

今現在全く異なる作品に取り組んでいる私が昔の作品を見て、圧倒的に違うと思う事は"大人"になってしまったなという事だ。

ピカソが ”子供はみんな芸術家だ。問題は大人になっても芸術家出いられるかどうかだ”と言っていた。
人は年齢を重ねるとどうしても不自由になってしまうと思う。

 

そうならない稀な人間もいるが、邪魔なモノが増えて自分をまっすぐに表現出来なくなってしまう人がほとんどではないかなと思う。

私もいつも、自分をよく見せようと考えるヤマしい欲と戦いながら創作活動を続けている。

 

経験や知識が増えることは人生を豊かにしてくれると思う反面、もしかしたら人間を不自由にする事もあるんじゃないかと思う。

 

生きて行くにつれ、見たくなくても見てしまうモノが増え、必要のない知識もがどんどん自分の中に積み重なって行く中で、どこまで自分の望まないモノに邪魔されず、素直につくり続けられるか。

それが、今までも、これからもたぶん私のテーマのひとつだ。 

 

 

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